1119 アジング、もとい、ムツング②
北風が強く吹く予報だったが、マズローの欲求段階説で「釣り欲」が最下層に来てしまう僕らは、寒さを厭わず釣りに出かけてしまうのであった。
というわけで、深夜1時。
仮眠を済ませ、地元の後輩ダイスケ氏をピックアップ。
湾奥のシーバスゲームにの闇に飲まれていた僕は、久々に嗜好の違う釣りをして癒されてしまおういう算段だ。
トップでシーバスが出た日から、日に日に状況は悪化している。
回遊型の太ったシーバスの接岸は減ってしまった。
となれば、釣り人は房総の豊饒の海へ出向く。
事前の情報によれば、アジ・ムツが好調とのこと。
期待を持ち、大潮の海へと繰り出したのだった。
外房某所。
有名漁港のようだが、僕が訪れたのは初めて。
常夜灯周りを打つが、明らかに濁りが入っている。
2日前から続いた大雨の影響だろう。
案の定、生命観はありこそすれ、いるのはイナッコのようだ。
早々内湾の常夜灯ポイントに見切りをつけ、外向きの潮通しのいいポイントへと移る。
テトラに立ち、暗いうちからジグヘッドを投げる。
が、大塩の上げ、さらにはうねりも相まって、身の危険を感じるレベルの潮位。
明るくなるまでしばし待つことに。
迎えた朝マズメ。満潮と重なり、最高の条件に見えた。
が、明るくなるほど、潮が茶色く濁っていることに気づく。
僕の竿にはアタリすらない。
ダイスケ氏には魚信があるようだが、それでも魚を釣り上げることはついぞなかった。
7時ごろ、このポイントを見切り、前回ムツを釣り上げたポイントへと移動を試みた。
先端付近には餌釣り師とアジんがーが混在。
ムツに交じり、アジも釣れている様子。
すると、先端に入れてくれるという。
感謝ししつつ打つことにするが、潮流が速い。
うねりと、大潮があいまって、まるで明石海峡かのように堤防先端に渦を作り、潮は右へ左へと大きく動く。
そんな中でも、ダイスケ氏はすぐさまムツの魚信をとらえ、釣り上げる。
一方僕は、1gのジグヘッドが一体どこにあるのか、ましてやどんな動きをしているのか、推し量ることすらできない。
潮の撚れたところにムツが群れを成しているようだが、フォールさせながらそこにジグヘッドを送り込むのは至難の業だ。
結局、第一ラウンドはノーフィッシュと相成った。
すると、地元の釣りおじたちが、波風の状況をみて、一段高い堤防への梯子を掛けてくれる。
先端付近に陣取り、1gのジグヘッドを送り込む。
カウントを15ほど取り、3回ジャーク。
そのまま、竿を立てテンションフォール。
すると、フォール中にこぎみよいアタリが出る。
あってきたのは、赤と銀を身にまとったムツ。
本命ではないとは言え、やはり魚を釣り上げると楽しい。
5gのジグや7のジグパラブレードでも釣果を上げるが、やはり数が続かない。
真面目に、軽いジグヘッドを投げることにする。
すると、フォール中のアタリがこれでもかというくらい出る。
合わせ切れを何回か繰り返しながらムツの釣果を重ねたとき、不意にその瞬間が訪れる。
同じくテンションフォール中のアタリを広い、合わせを入れる。
ムツではあまり機能しなかったドラグが、こぎみよい音を立て働く。
ドラグを締め、抜き上げることに。
根に潜ったようだ。(少なくとも僕は、そう感じた。)
それでも何とか抜き上げると。銀色の魚体、アジであった。
メタルジグで尺オーバーのアジを何度か釣ったことはある。
しかし、狙って釣ったアジはこれが初めてだ。
喜びもひとしお、続けてのアジを狙う...
が、アジからの返事はパタリととまり、またもやムツの猛攻が始まる。
正直に言えば、ムツでも連れれば、すごく楽しい。
結局、二位で30匹近く釣り上げたころ、ムツの時合も終了。
途中、ダイスケ氏の掛けたムツにソゲが食いつくなどのハプニングがあった。
ものすごく楽しい釣行となった。