湾奥ラストイナダ × 外房アジング
湾奥イナダの夢は潰えた。少なくとも僕は、大げさではなくこの事実に愕然としていた。
湾奥で青物がコンスタントに釣れるのは、5年に一度ほど。
前回は2013年、当時18歳。次は、2022年、26歳。
この間の時間の密度を考えると、次の湾奥青物に出会うのは途方もなく先のことに思われる。
イナダは、特別な魚ではない。スーパーに行けば、一尾300円で売られている。
しかし、家から10分、自分の操作するロッドとルアーで釣るイナダは、特別だ。
11/30
自宅から外を見やれば、雨は降っていない。
最後の湾奥イナダを求めて、自然と足は釣り場に向かう。
するとどうだろう。先端付近でイナダらしき魚がヒットしている。
湾奥イナダの夢は、首の皮一枚でつながっていた。
イナダを釣るために悠然と海へと飛び込んでいき、殉職した数々の仲間に思いを馳せ(ルアーのことです)
一投一投感謝の祈りをささげ、全力投球。(嘘です)
釣れない。三か月もの間、魚より人の方が多いと揶揄される湾奥で過ごしたイナダは、ルアーの動きにスレてしまったのだろうか。
半ばあきらめかけていたとき、最後の奇跡が起きる。
堤防先端内側、突如としてボイルの発生。
誰も気づいてはいない。視力の良さに感謝しつつ、祈りをささげたのち(嘘です)、ミノーを放る。
DUEL、ハードコアTTリップレス。和歌山のフィッシングマックスで乱雑にセール札を貼られた無数のTT.
その悲しい目に誘われ、情けで購入したルアー。(安いから買いました)
これまた情けで投げたのが始まりで、(釣れそうだから投げました)それ以降、数々の湾奥イナダ・シーバスを魅了してきた。
そんな彼らの働きに感謝し、殉職したTTの欠員を補充したのだ。(またセール品になっていたので買いました)
さあ新人よ、行ってこい。
まだ魚はいる。早巻きからの、ジャーキング。スラックを出すことを意識すれば、簡単にダートし、逃げ惑う小魚を演出。
するとどうだ。すぐにヒット。
なんだか違和感。やたら引く。するとどおうして、スレ掛かりではないか。
ええい、そんなことはもうどうでもよい。釣れたという事実にのみスポットライトを当てよう。
感謝感謝のラスト湾奥イナダ。(暫定)
1201
この日は、一人外房アジングに繰り出す。
本当はカワベ氏と地元を打つ予定だったが、ユダも共感する裏切り。
この裏切りが、イガラ氏に後悔をさせることとなった。
霧で視界が5mの中を運転し、某外房へ。
ムツは釣れる。ムツは釣れる。
が、アジは釣れない。
天罰が下った、そう後悔し始めると、一件のライン。
カワベ氏からだった。
曰く、「コノシロが入り、イナダ・回遊シーバスがプチ爆だった。セイゴも20ヒット程だった。」と。
人生で一度だけ使えるどこでもドアがあるとしたら、僕はこの時、躊躇なくその堤防へと瞬間移動しただろう。
不貞腐れた僕は、鵜原にてささやかな昼寝。
すると、イナダの群れが、裏切り者、とあざ笑う夢を見た。(嘘です、実際は、シーバスが冷蔵庫から無限に出てくる夢でした)
もう二度と、裏切りません。
なぜこんなに饒舌なのかといえば、昨日1201、ついに「アジング」が成立したからだ。
その詳細はまたの機会に。